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11年ぶりに新嘗祭へ供える稲を刈り取る

2021年10月02日

(刈り取られた稲穂を刈女へ手渡される様子)

 JAとまこまい広域では実りの秋を迎え、宮中行事の新嘗祭(にいなめさい)へ供える献穀米を収穫する儀式の「抜(ぬき)穂(ほ)祭(さい)」が9月22日、厚真町東和地区畑嶋賢蔵さん(61歳)の水田の一角に設けた献穀田1㌃で執り行われ、JAとまこまい広域の宮田広幸代表理事組合長をはじめ、関係者ら約60名が参列しました。献穀田の設置は、平成22年にも実施され今回で11年ぶり6回目をかぞえます。
 新嘗祭とは、天皇陛下が全国各地から献上された新穀を神々に供え、陛下自ら召し上がり神の恵みに感謝する宮中恒例祭典の中でも最も重要とされている行事の一つとされています。
 当日は、あいにくの曇り空の中ではありましたが、献穀田の脇に設けた祭壇で執り行われた「令和3年度新嘗祭献穀 抜穂祭」では、抜穂の儀において田長を務める同JA宮田組合長、耕作長の畑嶋氏のほか、宮坂尚市朗厚真町長等の来賓へ鎌が手渡され、黄金色に実った稲穂(ゆめぴりか)が刈り取られました。刈り取られた稲穂は4人の刈女を通じてテーブルに並べられ、田長と耕作長がテンポよく稲を束ね、はさがけが行われました。
 抜穂祭を終え田長の宮田組合長は「畑嶋賢蔵さんとご家族におかれましては、良質米生産の技術を遺憾なく発揮され、当地区を代表して肥培管理して頂いたことに敬意と感謝を申し上げます」と挨拶しました。また宮坂町長は「丹精込めたお米が素晴らしい実りを迎え、生産者からも満点の出来との声が挙がっています。また現在米価が懸念されていますが、このような時こそ品質が大いに力を発揮する時です。ブランドをしっかりと形成し産地として販売に尽力して頂ければと思います」と話しました。
 献穀者の畑嶋さんは「今年は天候に恵まれ粒数が多く平年よりも良い出来となった」と話した他、「今回の新嘗祭への献穀は、3年前の胆振東部地震からの復興ということを皆様にお伝えする気持ちでやらせて頂いた。無事に抜穂祭を終えることができホッとしているが、天皇陛下へしっかりとお届けするまで少し作業が残っているので気を抜かずに頑張りたい」と今の気持ちを話してくれました。今回献穀田が設けられた水田は、胆振東部地震で導水管が破損し、2年間修繕のため未作付けとなっており3年ぶりの収穫を迎えました。
 宮中で行われる新嘗祭は、例年10月下旬頃に皇居内で行われ刈り取られた米は畑嶋さんの手で乾燥調整され、約5合(精米された0.9㍑)が献上されます

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