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胆振東部地震後、初めてとなる稲刈り

2021年10月02日

(黄金色に実った稲穂と後ろには復旧された山腹)

 3年前の2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震の影響により、厚真町幌内地区で営農する末政知和さん(28歳)の水田一部や倉庫などへ土砂が襲い、農地など60%が被害に見舞われました。震災同年に祖父の清さんから経営移譲を受け、これから頑張って行こうと考えていたそんな矢先の被災で稲刈りを断念せざるを得ませんでした。
 北海道の要請で、地域の復旧のため土砂の仮置き場として水田を貸し出すこととなり19年、20年と作付けが出来ず「皆が営農する姿を見て、自分だけが取り残されているように感じるようになり、水田まで行けない状態となり精神的に参っていた」と当時を末政さんは振り返ってくれました。
 今年は区画整備が完了した親戚の水田6.5㌶を借りた他、施設などは道と町の補助金を利用して新調。3年ぶりとなる営農をスタートさせました。末政さんは「作付けできるようになり楽しい。これから2年分を取り戻す気持ちで営農に励みたい」と話し、「田植えからあっという間に稲刈りを迎えたという気持ち。初めて一人での作業だったので効率的に動くことが難しかったが、ただようやく収穫を迎えることができて嬉しい」と営農再開できた喜びを話してくれました。今後は幌内地区の高齢化も進み農家戸数も減少することが予想される中で「同地区の友人と協力して地域の農業を守っていくため、もっと精進していきたい」と今後の意気込みを語りました。

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