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二人三脚で花卉栽培 過去最高の出来に

2021年08月11日

(丹精込めて栽培した花卉と一緒に(㊧康弘さんと㊨久美子さん))

 JAとまこまい広域厚真町花卉部会会員の丹羽康弘さん(75歳)の花卉ハウスでは、お盆需要に向けた花卉収穫が7月下旬から最盛期を迎えています。康弘さんは厚真町軽舞地区で平成元年から花卉栽培をスタートさせ、震災などの苦労を乗り越え今年で33年目を迎えました。
 仲の良い生産者から花卉栽培を進められ、「最初は30坪ほどのハウスで菊の栽培からスタートした」と話す康弘さん。また、「栽培当初は、中々栽培のコツを掴むことが出来ないことや、効率的な作業の方法を試行錯誤の最中だったことに加え、子供たちの学校への送り迎えも重なり寝ずに作業したこともあった」と妻の久美子さん(72歳)と当時を懐かしそうに振り返り話してくれました。
 平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、秋の彼岸需要に向けて最盛期が始まる一歩手前で、これからという時の震災発生で輸送が麻痺状態となったことから「9割ほどが収穫できず廃棄したことを思い出す」と話してくれました。翌年の栽培では生育不良が散見され調査したところ、震災の影響で耕盤層に亀裂が入り、土壌中の水分保有量のバラつきと判明しました。普及センター等の協力の下、土壌改良を推し進め回復を遂げ今年を迎えましたが、震災の影響で破損した導水管の修繕のため、ハウス6棟の内4棟が取り壊されることになりました。今年はお盆需要と秋の彼岸需要に向けてそれぞれ1棟ずつマム(洋風菊)の作付けがされており、康弘さんは「今年は病害虫の発生も抑えることができ、生育も順調に進み高品質のマムが栽培できた」と自信を覗かせていました。また「出荷し自分の手を離れるまで管理徹底し、消費者の皆さんに高品質なマムを届けたい」と話しました。
 高品質の花卉栽培を手掛ける康弘さんも、労力がかかるため取り壊した4棟は立て直しせず、すでに新規就農者へ引き渡されました。また残りの2棟も資材などの更新時期と重なり今年で最後の作付けとなる予定です。康弘さんは「最後の年に、高品質な花卉を栽培することができた」と満面の笑顔で話してくれました。最後に、残る厚真町花卉部会員へ「ようやく市場から信用をもらえるようになり、全国から注文が届くようになってきたので、桐木部会長の下に結束し、「あつまの花」というブランドに誇りを持ってこれからも頑張ってもらいたい」とエールを送りました。残すは秋の彼岸需要の1棟のみとなり、33年間の長きにわたる花卉栽培の幕が閉じようとしています。

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